笑うチャイナ

10ねんに亘る中国駐在経験をもとに、おもしろおかしい中国人の生態を描きます

中国人とは⑳ 謎の安全ピン・ピアス男

通勤時の地下鉄での話。

押し合いへし合いのラッシュで、たまたま隣に20代前半の男の子と居合わせたのだが、

彼の片耳には、2つの安全ピンのピアスが

5cmに接近して見ているので、間違いない。普通の安全ピンだ。

 

ん? これはファッション?

 

まじまじと見ながら考えていると、車内がゆれて、もう片方の耳が見えた。

こちらにも、耳元に安全ピンが一つ。

 

ん?ん?

 

両側にするのが、おしゃれか?

それとも、実用?

職業柄何かの時に、さっと耳からはずし、使おうとしているのかも。

 

ということで、中国人の友達に聞いてみると、

最初にピアスの穴を開ける時、安全ピンを使って開ける人はまだいるとか。

多分、この人は最初の穴あけをそのままにして外出したのでは?ということだ。

 

いやぁ~、それにしても白昼堂々、安全ピン・ピアスを装うとは、

人目を気にしないのか人目を気にしているのか

どっちなんだろう。謎だ。 

 

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中国人とは⑲ トップダウン中国ビジネスの基本

中国は超がつくほどタテ社会

その昔、黒いカラスを見た皇帝が「あそこに白いカラスがいる!」と叫ぶと、

どこからともなく使用人が白いペンキを持って走ってきてそのカラスを白く塗った

という話があるとかないとか。

 

このタテ社会感覚、現代中国ビジネスでの場でもいかんなく発揮されます。

 

例えば、合弁会社のある日本人社員が、ローカル社員に対してプロセス管理を行うよう、その重要性を説いたとします。

社員は話を聞きながらウンウン頷きますが、実際にプロセス管理を採り入れるそぶりは見えず、

お話ありがとう。でも中国には中国のやり方があります。」と言わんばかり。

 

しかし、中国人董事長や総経理など中方のトップが一言「プロセス管理は重要だぞ。」

といった瞬間、皆が揃って「これからはプロセス管理の時代だ!」と言い始め、

その日から「いかにプロセス管理を行うか?」の大会議がアレンジされたりします。

 

本当にプロセス管理の重要性に気付いたわけではなく「上がそう言ったから重要。」

という、なんとも脱力な話なのですが、結果的に動いてくれるならよしという割り切りもアリ。

 

現場を動かしたい時は、まず中方トップと共有し、彼らの口から現場に伝えてもらうようにしましょう。

(トップとの共有が、また難しいんですけど・・・)

 

 

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中国人とは⑱ 店舗建設 一夜城

あるメーカーが中国で最初の販売店を作った時に起こったホントの話

日本の本社から社長が視察に来る予定になっていた販売店の工事、大きなプレッシャーを抱えながらも、現地社員の「大丈夫です!」という報告を受けながら完成式まであと1ヶ月という所まで来たときのこと。

一度視察に行かないとと現地に入ると、まだその店舗は基礎工事を終えただけで、影も形もない状態。

慌てふためいて現地社員に「どうなってるんだ!」と問いただしても、

「予定通りです!」との返事。

 

その後完成式1週間前になってようやく建物の外側は完成出来たものの、内装は配線も床も全く手付かずの状態。

 

「俺は社長にどう報告すればいいんだ・・・」

クビも覚悟で落胆しきった日本人駐在員を見ても、

現地社員と建設現場の監督は「俺の面子に賭けてもやる。没問題※(問題ない)!

と最後の最後まで余裕の表情。  ※中国語で、「メイウエンティ」と言います。

 

そして日方駐在員が全てをあきらめ、本社への言い訳を考え始めた頃、中国パワーの炸裂が始まった。

完成式の数日前あたりから販売店の周囲に数百人単位でワーカーが集まりはじめ、怒涛の人海戦術による追い込み作業開始。

土台にコンクリートを流し込み、養生させたら即床張りの24時間フル稼働。

疲れた人と元気な人がバンバン入れ替わり、常に全力疾走の建て込みが続く。

そして完成式典当日の早朝、夜がしらじらと明ける頃には外観・内装ともに“見た目は”完璧な販売店が出現

 

ほっと胸をなでおろす日方駐在員達。

社長視察も無事終わり「中国人の追い込み作業はすごいな~!」と感心した刹那、

ワーカーがどこからともなくまた現れ始め、壁や床をはがし始め、

“本当の”内装作業を再開

 

社長が見た販売店は、豊臣秀吉もびっくりの一夜城だったのです。

まさに現場監督が言ったとおり、面子を賭けた部分だけはしっかり作り込んできました・・・。

 

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中国人とは⑰ 痛風に注意

中国でビジネスをはじめると、現地の人からの宴席の招待が非常に多くなります。

 

「中国のビジネスはむしろ仕事の後の宴席で決まる。」という話を耳にする方も多いと思いますが、

確かに、宴席はリラックスした空間で、相手がこちらの様子を探って、

真意を確かめてきたり、向こうの心情を伝えてきたりと、様々な顔を持っており、

ビジネスをする上で必要な場になっています。

 

宴席の場ではそれなりに豪勢な料理が出てきます。

イセエビアワビなどの魚介類、子豚の丸焼き北京ダック

コッテリ系の炒め物にビール、ワイン、白酒・・・。

 

宴席でなされる会話より、

この宴席で出てくる料理こそが、中国ビジネスでやっかいなものと言えるでしょう。

 

連日、立て続けに食べ「そろそろやばいなぁ」と思いつつも、

実際には大変美味しいため、ブレーキがなかなかかけられず、

さみだれてきに続く宴席のなか健康管理は徐々に怠りがちに。

 

そして、ある日突然やってくる足の指の激痛

中国駐在員が痛風を患うのは決して珍しいケースではありません。

 

とにかく「いつ痛風になってもおかしくない」という警戒のもと、

日ごろから水を多めに飲んだり、適度に運動をするなど、

突然襲ってくる病に対する防衛措置は欠かせません。

 

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中国人とは⑯ 中央政府の公務員は学生のあこがれ

政府の公務員になる事は若い学生の憧れであり、

中央政府の役人ともなればその人気は絶大です。

 

「政府の公務員になって、中国の発展に貢献したい!」

こんな清い志を持って憧れを抱く人も多いと思いますが、

政府の公務員にはもう一つ、大きな“こうけん”という魅力があります。

それは「公権」。

 

政府の役人は日々の暮らしの制度から商業活動における制度まで、大きな権限を持っています。

なので、とにかくお役人さんから許可をもらえないと、申請が進まなかったり、認可がもらえなかったりします。

 

商売上必要な申請書類を提出しに行っても、

あれが足りない」「ここを書き直して」、

はたまた、「今日は担当が忙しいので、また日を改めてきてください」となる事が多く、

提出後もなかなか申請に対する返答が来ず、手続きで数日、ひどい時は数ヶ月を要することもしばしば。

 

お役人さんから速やかに申請や許可をいただくために、

皆、“あれこれ”工夫を凝らしてお役人様詣でを行い、莫大な利権の構造が生まれます。

 

官僚ともなるとどんな国でもこういった構造を抱えているものですが、

中国でもお役人さんの力は絶大で、幅を利かせられる存在として、いろんな階層で君臨します。

 

上昇志向の強い現代中国の若者にとって、政府の公務員が憧れの職場になる事は十分頷ける話なのです。

 

   

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中国人とは⑮ たまりません本格激辛四川料理の接待

四川料理重慶料理、広西料理はとにかく辛いのが特徴。

 

四川は山椒がいてビリビリと痺れるように辛く(麻辣マーラーと発音)、

重慶はただひたすら辛く(=ラー)。

広西はすっぱくて辛い(酸辣=スーラ―)。

 

辛さの度合いは所謂日本の「辛口」から3ステップ程かけはなれた次元にあり、

「俺辛い料理平気だよ」と自信のある人も注意が必要です。

 

四川・重慶方面の接待ではこの激辛料理に、アルコール52度の白酒が加わり

味覚は途中で完全に失われてしまいます

 

前菜で出てくるお通しまで辛味成分が入っており、基本逃げ道はありません

 

聞くところによると、大体彼らは1歳の時から唐辛子を口にし始めており、

子供でも唐辛子をおやつ代わりにかじったりしています。

 

辛味は食事の下味、日本で言うところの昆布だしみたいなものなのでしょう。

 

この辛味、ある程度耐性のある人は徐々に病み付きになっていきます

駐在員でもはじめはヒーヒー言っていた人が、

そのうち四川料理が欠かせない人に変わる事もしばしば。

 

四川料理は油が多く、ラー油に食材が浮いているような料理ばかりですので、

健康管理には十分注意しながら本場の味を楽しんでいただきたいところです。

 

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中国人とは⑭ そこに列があるから割り込む

既に日本のTV報道でもおなじみ「割り込み」に関する中国人のマナーの問題。

 

人口も多く、激しい競争社会にもまれている彼らは、

ダイレクトに行動し、「自分の目的」を果たします

 

施設や切符売り場はもちろんのこと、コンビニ、ファーストフード店、タクシー待ちなど秩序とは まだまだ無縁です。

 

割り込む人も罪悪感を感じているそぶりは見られず

むしろ割り込んだ後に、「よっしゃ!」という達成感に支配されたような表情すら伺えます。

 

今でこそ、適適出行(中国版ウーバー)の普及で少なくなったとはいえ、

イベントの帰りなどでタクシー待ちをしていると、

皆早くタクシーをゲットするべく、

川上のほうにどんどん割り込んで行き、

タクシー乗り場自体が交差点付近までせり上がっていったりもします。

 

一方、割り込まれた方はさぞかしお怒りかと思いきや、

意外にあっさりしたもので「割り込むまでして、急いでいるのね」、

しょうがないなぁ」と容認傾向。

 

しばらく待って自分の番が来なければ、急ぎでない人はそそくさと戦列を離れていきます。

こんな容認派がいることを背景に、割り込み行為は市民権を握っているのでしょう。

 

とにかく「こっちは急いでんだ!」という気迫が勝敗を決めますので、割り込んでくる相手には毅然と主張する事で

相手も案外あっさり引き下がります。

 

タクシーなどではもう実力行使、有無を言わさず先に乗り込んでしまうのもテです。

 

 

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