笑うチャイナ

10ねんに亘る中国駐在経験をもとに、おもしろおかしい中国人の生態を描きます

中国人とは⑱ 店舗建設 一夜城

あるメーカーが中国で最初の販売店を作った時に起こったホントの話

日本の本社から社長が視察に来る予定になっていた販売店の工事、大きなプレッシャーを抱えながらも、現地社員の「大丈夫です!」という報告を受けながら完成式まであと1ヶ月という所まで来たときのこと。

一度視察に行かないとと現地に入ると、まだその店舗は基礎工事を終えただけで、影も形もない状態。

慌てふためいて現地社員に「どうなってるんだ!」と問いただしても、

「予定通りです!」との返事。

 

その後完成式1週間前になってようやく建物の外側は完成出来たものの、内装は配線も床も全く手付かずの状態。

 

「俺は社長にどう報告すればいいんだ・・・」

クビも覚悟で落胆しきった日本人駐在員を見ても、

現地社員と建設現場の監督は「俺の面子に賭けてもやる。没問題※(問題ない)!

と最後の最後まで余裕の表情。  ※中国語で、「メイウエンティ」と言います。

 

そして日方駐在員が全てをあきらめ、本社への言い訳を考え始めた頃、中国パワーの炸裂が始まった。

完成式の数日前あたりから販売店の周囲に数百人単位でワーカーが集まりはじめ、怒涛の人海戦術による追い込み作業開始。

土台にコンクリートを流し込み、養生させたら即床張りの24時間フル稼働。

疲れた人と元気な人がバンバン入れ替わり、常に全力疾走の建て込みが続く。

そして完成式典当日の早朝、夜がしらじらと明ける頃には外観・内装ともに“見た目は”完璧な販売店が出現

 

ほっと胸をなでおろす日方駐在員達。

社長視察も無事終わり「中国人の追い込み作業はすごいな~!」と感心した刹那、

ワーカーがどこからともなくまた現れ始め、壁や床をはがし始め、

“本当の”内装作業を再開

 

社長が見た販売店は、豊臣秀吉もびっくりの一夜城だったのです。

まさに現場監督が言ったとおり、面子を賭けた部分だけはしっかり作り込んできました・・・。

 

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