中国人とは㉗ 「へんはお」・「ぶーはお」
「へんはお(很好)」とは“とても良い”という意味。
一方「ぶーはお(不好) 」は“ダメ!”という、比較的強い否定を意味します。
海外に出ればまず「Yes/No」を憶えるように、日本人駐在員も働き始めるとニーハオ以上に多用する言葉になります。
「へんはお」は、思った時にいくら言っても別に構わないのですが、「ぶーはお」はちょっと注意が必要。
中国の人が「不好」と言うのは、かなりダメダメな時であり、言われた方は面子まる潰れ。
「ぶーはお!ぶーはお!」と皆がいる前でローカル社員を攻め立て過ぎると、致命的に関係崩壊を加速させてしまう事もあります。
日本の社員なら「ここをグッと堪えて」と更に仕事で返すような発想も出てきますが、中国の社員はそのまま「嫌な奴」となり、関係が止まってしまいます。
中国では「明確な意思表示」が重要で、何も言わないより言ったほうが絶対に良い事も確かですが、
「ぶーはお」を言わないといけない時は、その人を部屋に呼び出して言ったり、
「罪を憎んで人を憎まず」的な運用で、面子をあまり潰すことなく上手に否定の意思表示を行う事が求められます。
中国人とは㉖ フライト1時間・待機5時間
中国国内線の飛行機はよく遅れます。
1~2時間ならまだマシなほうで、5~6時間待ちというケースもひんぱんに発生します。
これが搭乗口で待つならまだマシですが、一旦機内に乗り込み、そこで座ったまま5時間も6時間も待たされるケースは最悪。
「機内で待つなら一旦搭乗口に戻してくれよ!」と言いたくなります。
しかし飛行機はお客さんを乗せ、タラップを切り離した状態でないと、離陸の順番待ちに入れないため、搭乗口にお客を戻していてはいつまで経っても飛べないという彼らの事情があり、搭乗口に戻してくれるケースはほとんどありません。
搭乗して2時間が経過したあたりから、“お約束”のように中国人乗客が騒ぎ出し、「いつ飛ぶんだ!」「どうなってんだ!」など、キャビンアテンダントに対して激烈な言葉を投げかけはじめます。
彼女達もこのあたりのさばきは十分に心得ており、騒ぎ出すか出さないかの微妙な頃合で、淡々と機内食を配りはじめ、「口に物を入れる」苦情処理。乗客を黙らせます。
飛行機の遅れは非常に良く起こりますので、小説などの暇つぶしアイテムは多めに持っていきましょう。
中国人とは㉕ 必要なのは鈍感力
中国でのビジネスは、日本の常識では考えられないような事が次々に起こり、驚きとため息の日々が続きます。
繊細で生真面目な日本人は、最初に中国人の想定外の行動に戸惑い、時に怒りも覚えながら「日本ではね!」と日本式の説教教育を試みたりもします。
しかし彼らの溢れんばかりのわんぱくエネルギーに触れ続け、親会社と合弁会社に挟まれたりしながら死闘を演じているうちに
「俺たち日本人のほうが非常識かな?」とか
「結局彼らの国の事だから、彼らに任せて腹くくるか」と理解や寛容が生まれはじめ、
最終的には「ポイントだけ守ってくれたら後の細かい事はもう任せる」
「何かあったら俺が責任を取る」とローカル社員に言い切るまでに貫禄が出てきます。
中国ビジネスの厳しい前線から帰ってきた人たちは、
目に力は宿っているものの、瞳の奥は軽く濁っている
という、えもいわれぬドスの効いたオーラを醸し出しており、
日本で行われる人材トレーニングなど生ぬるい!と感じられるような鈍感力が身についているのです。
中国人とは㉔ 白酒(バイジュー)は周囲の人に飲ませてナンボ
白酒(中国語でバイジュー)は、コーリャンという穀物を原料とした蒸留酒。
馴染みのない方も多いと思いますが、ウォッカやテキーラのような味わいがあります。
アルコール度数は36~52度まであり、食前酒のような杯を用いて早いピッチで干杯(杯を干す=イッキ)をくり返します。
中国の宴席では円卓を大勢で囲み「この素晴らしい出会いに・・・」などと
口上を垂れつつ、隙あらば、皆何とかして接待相手を飲まそうと仕掛けてきます。
ここで「なんて義理に厚い人たちだ!」とガチンコの対応をすると、
あっという間に皆から飲まされまくり、涅槃の地へ旅立ってしまいます。
中国人との宴席では、できるだけ多くの日本人駐在員と一緒に同席し、「数的優位」を保つことが重要です。
特に管理職、役職者は接待になると即座に「キーマン」としてロックオンがかかります。
酒量を考慮しつつですが、時には部下を「飲む盾」として巻き込み、チームプレーで切り抜けるようにしましょう。
(それでもつぶれる時はつぶれますが。)
中国人とは㉓ 農民もケータイ片手にお仕事
広西省チワン自治区のある農村に調査にいった時の話。
車で道なき道を走り、4時間も過ぎると、まるで数十年前の日本にタイムスリップしたかのような農村が現れます。
家の壁はボロボロ、水牛が道端に糞を落としながらトボトボ歩いている・・・。
ぱっと見は「やっぱり中国の農村は発展してないなぁ」という印象です。
しかし良く見るとそのボロボロの家にパラボラアンテナがついていたり、
家の一階はボロボロの旧家なのに、二階に上がるとタイル張りで豪華なソファや50型以上の薄型TVが置いてあったり、意外に豊かな暮らしをしている事に驚きます。
私達の出あった農家の人は、調査中、時折携帯を手にしながら、友達と会話したり、野菜の予約注文を受けており、
借金で買った日本で言う軽のサンバーのような商用車で1回5元で近くの農民を市場に連れて行ったりしてました。
「中国の農村にも変化の波が押し寄せてるなぁ」としみじみ感じました。
世界中から先進の技術が順不同で怒涛のように入ってくるなかで起こる中国の変化は
日本とは全く異なるものであり、こまめに現場を見ながら生活者の変化を注意深く見ていくことはとても重要だと感じます。
中国人とは㉒ 抜かれたら抜き返す!の運転手
最近北京や上海などの大都市では、多少ドライバーが交通ルールを守ろうとする気運も見られますが、基本的に中国のドライバーは運転が荒い。
それはまるで子供に車という大きなオモチャを与えたようなものであり、
暴走、無謀な割り込み、逆走などはまだまだ日常的に遭遇する出来事です。
この乱暴な運転は一般ドライバーやタクシーだけでなく、会社が雇っている社用車のドライバーも例外ではありません。
出張でやってきた本社のVIPを乗せても、お構いなしにスピードを出し、網の目をくぐるように他の車をかわして疾走、肝を冷やす事もしばしば。
一方ドライバーはスピードを出しながら、しかし滑らかに他の車をかわして運転している自分を「出来るドライバー」と思っているので、気にも留めません。
そして自分が運転している車より排気量やサイズが小さい車に抜かれたりしたらもう大変!
後にVIPが乗っていてもお構いなし、キャノンボールよろしく果敢にアクセルを踏み込み、抜き返しにかかります。
駐在先でドライバーを雇う際は、彼らの安全運転教育もお重要な仕事といえるでしょう。
中国人とは㉑ ニーハオトイレ今は昔
中国のトイレ事情、皆さんはご存知でしょうか?
「中国ってトイレに塀がなくって、用を足している時お互いの顔を見ながら、
『ニーハオ!』 って挨拶できるんでしょ?」という話題、
一度は聞いた事があると思います。
「ニーハオトイレ」はプライバシーと恥の文化を併せ持つ日本人にとって踏み絵のような所業ですね。
しかし実際のところ、中国トイレ事情はかなり進んでいます。
ある程度の都市なら街中の百貨店や食堂はほとんど個室の和式風トイレ。
空港やホテルなどは洋式が主流で、キレイなトイレも増えつつあります。
中国のトイレの弱点は「水力」。
流す水の勢いが弱くて詰まりやすいので、
用を足したらまず一流し、
紙で拭いてまた流すの「二段流し」が安心でしょう。
またトイレ設備が進歩しても、トイレマナーの方はまだまだで、
便座に足をかけて用を足す人がいたり、
便器からオシッコを豪快に外す人がいたりで、
汚れている事が多いです。
飲みすぎてトイレで吐く時は、くれぐれも便器に手をつけたりしないよう注意したいところです。
また内陸の小都市ではまだまだ爽やかな挨拶が交わせるトイレが多いので、
視察などで街中に出る時はあらかじめホテルで用を足しておくなどの
「トイレマネジメント」が重要です。