中国人とは⑮ たまりません本格激辛四川料理の接待
四川は山椒がいてビリビリと痺れるように辛く(麻辣=マーラーと発音)、
重慶はただひたすら辛く(辣=ラー)。
広西はすっぱくて辛い(酸辣=スーラ―)。
辛さの度合いは所謂日本の「辛口」から3ステップ程かけはなれた次元にあり、
「俺辛い料理平気だよ」と自信のある人も注意が必要です。
四川・重慶方面の接待ではこの激辛料理に、アルコール52度の白酒が加わり、
味覚は途中で完全に失われてしまいます。
前菜で出てくるお通しまで辛味成分が入っており、基本逃げ道はありません。
聞くところによると、大体彼らは1歳の時から唐辛子を口にし始めており、
子供でも唐辛子をおやつ代わりにかじったりしています。
辛味は食事の下味、日本で言うところの昆布だしみたいなものなのでしょう。
この辛味、ある程度耐性のある人は徐々に病み付きになっていきます。
駐在員でもはじめはヒーヒー言っていた人が、
そのうち四川料理が欠かせない人に変わる事もしばしば。
四川料理は油が多く、ラー油に食材が浮いているような料理ばかりですので、
健康管理には十分注意しながら本場の味を楽しんでいただきたいところです。
中国人とは⑭ そこに列があるから割り込む
既に日本のTV報道でもおなじみ「割り込み」に関する中国人のマナーの問題。
人口も多く、激しい競争社会にもまれている彼らは、
ダイレクトに行動し、「自分の目的」を果たします。
施設や切符売り場はもちろんのこと、コンビニ、ファーストフード店、タクシー待ちなど秩序とは まだまだ無縁です。
割り込む人も罪悪感を感じているそぶりは見られず、
むしろ割り込んだ後に、「よっしゃ!」という達成感に支配されたような表情すら伺えます。
今でこそ、適適出行(中国版ウーバー)の普及で少なくなったとはいえ、
イベントの帰りなどでタクシー待ちをしていると、
皆早くタクシーをゲットするべく、
川上のほうにどんどん割り込んで行き、
タクシー乗り場自体が交差点付近までせり上がっていったりもします。
一方、割り込まれた方はさぞかしお怒りかと思いきや、
意外にあっさりしたもので「割り込むまでして、急いでいるのね」、
「しょうがないなぁ」と容認傾向。
しばらく待って自分の番が来なければ、急ぎでない人はそそくさと戦列を離れていきます。
こんな容認派がいることを背景に、割り込み行為は市民権を握っているのでしょう。
とにかく「こっちは急いでんだ!」という気迫が勝敗を決めますので、割り込んでくる相手には毅然と主張する事で
相手も案外あっさり引き下がります。
タクシーなどではもう実力行使、有無を言わさず先に乗り込んでしまうのもテです。
中国人とは⑬ 泣く子と政府には勝てない
中央政府、省政府、田舎の市政府。
大から小まで、政府は大きな権限を持っています。
制度運用上、あらゆる権限を持っていると言っても過言ではない
彼らの政策次第で
国民の生活や企業の活動が大きく左右されるため、
つねに友好的な関係をつくろうと、あらゆる方面で様々な配慮がなされる
まさに“名士”。
一方、時に倫理観も厳しく問われる彼らは、
ひとたび不正が見つかってしまうと、
政府から死刑も厭わない厳しい処遇が待っており、
権利と責任がとても巨大な存在です。
でも、中央政府で黒のアウディに乗り、肩で風を切り颯爽と歩く高級官僚は、
みんなの憧れ。
民間人、民間企業は、とにかく政府の人と交流し、
いい関係を作りながら付き合うのが大切なポイント。
親方日の丸の正義を振りかざして、こちらの正論を政府の役人に説いても、
仕事が前に進まず、関係がまずくなっておしまい、
では正論を言い合っても意味がありません。
本当に譲れないものがある時以外は、
「泣く子と政府には勝てない」と悟りを開く事で、
初めて中国でのリアルビジネスの第一歩を
踏み出すことができるといえるでしょう。
中国人とは⑫ すきあらば 交渉
食べる事と同じくらい交渉することが大好きな中国の人々。
さすがに最近のスーパーマーケットでは交渉なしのワンプライスになっていますが、
「交渉気質」はまだまだ残っており、値段交渉の機会はいつでも訪れます。
たとえば五つ星のレストランでの「サービスチャージ」。
中国ではまだまだ係員の誠実で迅速な対応が行き届いていないケースが多く、
お酒を持って来るのが遅いウエイトレスもいます。
最後会計のタイミングでサービスチャージがのっている伝票を見て、
「こんなお金を取るくらいのサービスをしてくれたのか!」
とクレームを入れたりすると、
サービスチャージ分を値引き対応したりするのです。
また家電はもとより、クルマなどの耐久消費財も値引き交渉は大前提で、
まさに「言ったモン勝ち」の世界。
常識の範囲を見極めつつ、すきあらば交渉!してみましょう。
中国人とは⑪ 仕事の決め手は「ぐあんしー」と「ぽんよう」
中国で仕事をするうえで重要な
「ぐあんしー(関係)」と「ぽんよう(朋友)」。
ぐあんしーは“コネ”。
中国社会は、ほぼ全ての人間関係が基本家族親族、または、信頼できる知人・友人のコネ、縁故で成り立っており、その人と取引をするべきかどうか?というのもまずコネのレベルの見極めからはいります。
「ぽんよう」は“友だち”の事。
幼馴染から意気投合した友達も含まれます。
ビジネスをする日本人は海外からやってきた他人。
しかし、共にタッグを組んで仕事をしたり、接待の席で意気投合したりすると、
「俺たちはポンヨウだ!」と相手から認められる形で友の称号にあずかる事もあります。
このように自分の存在が認められると、
様々な局面で相手からのサポートが得られ、
生活や仕事がずっとスムーズになります。
中国でビジネスを行う上で、
この「ぐあんしー」「ぽんよう」の距離にどこまで近づけるか は、大きなポイントとなります。
しかし「ぽんよう」になると必ずしも良いことばかりとは言えず、
先方から熱くウエットな人間関係を迫られます。
仕事で忙しいときも、夜中でも「ぽんよう!飲みに行くぞ!」と誘いがあり、
なかなか断る事ができず、ますますぽんようとなっていく。
人付き合いとお酒が好きな人には全く問題ない事なのかもしれませんが。
中国人とは⑩ 騒ぎ出したらメシを出せ
主に空港の国内線登場口や機内で、しばしば恐ろしい光景と出会うことがあります。
トラブルの発端は「遅れる飛行機」。
中国の国内線は遅延が多く、ヒドイ時には4時間~5時間も待機する羽目になることがあります。
機内や搭乗口で待機を強いられ、大体1時間を経過したあたりから乗客がざわつき始め、まず数人が空港係員や航空会社のスタッフに対して激烈なクレームを入れ始めます。
そして徐々に他の乗客も盛り上がってきて、最終的にはデモ⇒暴動寸前のような壮絶な群集の輪ができあがります。
しかしこの事態は係員の想定内。
彼らは事態を収拾するために最後の切り札を持ち出します。
それは「お弁当」。
機内なら機内食、登場口なら弁当を係員が全員に振る舞い始めるのです。
すると乗客は「まぁ仕方ねぇな」と弁当を手に取りもぐもぐ。
暴動がキレ~に治まってしまいます。
イベントなどでお客様を待たせてしまった、お客様が騒いでしまったという時は、
ちょっとした食べ物を振舞うと大人しくなるかもしれません。
中国人とは⑨ ここほれワンワン天然資源
広大な中国は天然資源の宝庫です。
中国の経済発展に大きく貢献すると同時に、
産出地域の住民に莫大な富をもたらし、彼らの生活を大きく変えています。
これまでただの石ころだったものが、急に高値で取引されるようになった事で、
一夜にして巨万の富を得た一般の土地持ちたち。
もともと天然資源のある地域の街は、都市としては発展途上であるため、
娯楽も少なく、お金を持て余した彼らは、
突然思いきった不動産投機をはじめたり、
高級車を買い漁ったりと大暴れ。
また天然資源で潤った政府も突如大規模なインフラ工事を始めます。
例えば、内モンゴルのオルドスという人口わずか150万人の街では、
石炭の高騰により突然大金が動くようになり、
大胆な都市計画を打ち立てて、何百億円も投入して、
豪華な高層マンションが並ぶニュータウンや人口の湖などをばんばん建設。
入居者の全然いない超先進なゴーストタウンが
内陸部のあちこちに出現しています。
広大な中国ではまだまだ色んな天然資源が眠っているはずで、
これからも天然の宝くじによって突如人生が変わってしまう人も、
大勢出てくることでしょう。